世界遺産・カナディアンロッキーの中でも人気のハイキングコース、ヒーリーパスを登山してきたのでレビュー記事を書いていきます。
ロッキーには無数にハイキングコースがありますが、バンフ周辺でハイキングを検討されている方の参考になれば幸いです。
↓YouTube動画でもハイキングの様子を紹介しています!
ヒーリーパスとは
ヒーリーパス(Healy Pass Trail)は、黄色い花を咲かせるグレイシャーリリーの群生地として有名で、6月中旬以降になると毎年地元でも話題になるコースです。
コースの全長は往復20km、獲得標高は913m、所要時間は往復6時間ほどです。
獲得標高(=実際に登る高さ)は900mと少々あり、コースの全長も長いですが、急な坂はあまりありません。コースの長さほど疲労は感じづらいコースです。
よじ登るような場所はないため、ヘルメットなどの特別な装備は必要ありません。
レインウエアや軽食などの一般的な装備で十分に楽しむことができるコースです。
グレイシャーリリー(カタクリ)とは
グレイシャーリリー(Glacier Lily)は、カナダを含む北アメリカに自生する野生の花の一種です。学名はErythronium grandiflorumで、春に山岳地帯や草原などで見られます。
日本固有種のカタクリと同じユリ科に属していますが、厳密には別の種類となります。
カタクリが日本の産地や森林地帯に生息し淡いピンク色や白色の花を咲かせるのに対し、グレイシャーリリーは山岳地帯に生息し黄色の花を咲かせます。
カナディアンロッキーでの開花時期は6月中旬〜下旬です。
登山口への行き方
トレイルヘッド(登山口)はサンシャイン・スキー場の駐車場です。冬はスキー客で賑わいますが、夏の時期はそこまで混雑はしません。
バンフから車で20分ほどの距離ですが、レンタカーや自家用車がない方にはバンフのダウンタウンから無料で出ているシャトルバスがおすすめです。
↓詳細は公式WEBサイトでご確認ください。
バンフのダウンタウン内にあるいくつかのホテルが乗車ポイントになっていて、登山口まで行くことができます。
ヒーリーパスは長時間のハイキングになるため始発で出発することをおすすめします。
ハイキング・スタート!
カナディアンロッキーのトレイルヘッド(登山口)には、たいてい写真のような木製の標識が立っています。
場所が分からない場合は周りの人に「Where is the trailhead for Healy Pass?」と聞きましょう。
この日は6月上旬でしたがハイキングの開始が早朝07:00ごろだったため思いのほか寒く、上着を来てのスタートなりました。
ヒーリーパスは比較的標高が低いコースのため、コースの7割ほどは針葉樹の森を歩いていきます。
景色があまり変わりませんが、足元には高山植物が咲いているため楽しみながら進んで行くことができます。
1時間ほど歩くと小川に到着。ここで小休憩を取ると良いかと思います。
川に足をつけることもできますが、氷河の溶け水が流れ込んでいるためとても冷たいです。30秒もつけていると足の感覚がなくなります。
ただし、初夏には蚊が多くいるため虫除けスプレーなどで対策しましょう。
小川の休憩ポットから2時間ほど(スタートから3時間)でグレイシャーリリーの群生地に到着です。
小川にかかった橋を渡ると一気に視界が開け、別世界が広がります。
見てくださいこの景色!どこを撮っても絵になります。
グレイシャーリリーの群生地に到着した後も、実は30分ほどコースは続いています。
この絶景の中をゴール地点を目指して進んでいきます。
グレイシャーリリーの旬は例年6月下旬ですが、この日は6月上旬が開花のピークになっていました。
スマホのカメラでもすこーしズームして撮影するとこんなにすごい写真が撮れます。
こちらはホーリー・マーモット(Hoary marmot)。ゴール付近の岩場に住んでいるようです。
マーモットは高山地帯に住んでいるので、ハイキングでしか見ることができない貴重な動物です。
ゴール地点を折り返して同じ道を帰っていきます。
往路では見えなかったカナディアンロッキーの山並みを望みながら帰ることができるので決して飽きることはありません。
コースの全長は往復20km、獲得標高は913m、所要時間は往復6時間ほど。この日は朝の07:00に出発し13:00ごろにはスタート地点に戻ってきました。
注意ポイント
それではここからはヒーリーパスハイキングを楽しむための注意ポイントを3つ紹介していきます。
開花時期がかなり前後する
グレイシャーリリーの開花時期は例年6月下旬とされていますが、年によって2、3週間前後することがあります。
個人でカナディアンロッキー観光に来て、この開花時期に合わせてハイキングすることは不可能に近いでしょう。
地元に住んでいる人たちでさえ予測が困難となっています。
クマに出会いやすい
ヒーリーパスの全長は往復で20kmほど。これは日帰りハイキングとしては長めの距離となります。
移動距離が長いということはその分、クマなどの野生動物に出会うリスクも高くなります。
事実、ヒーリーパスはクマとの遭遇率が高いコースとして知られ注意するよう促されています。
必ず複数人で行くこと
基本的にハイキングは一人で行かないようにしましょう。仮に一人で行く際には、必ず知人に当日の予定を伝えておいてください。
ヒーリーパスは知名度の割には歩いている人が少ないコースです。道に迷ったり、クマに出会うリスクを下げるためにも、複数人でハイキングしましょう。
あと、単純にみんなでハイキングしたほうが楽しいです。
楽しむためのポイント
では、ヒーリーパスを快適にハイキングするにはどうしたら良いのか?
グレイシャーリリー群生地まで無事に到着し、しっかり楽しむためのポイントを3つ紹介します。
ベストタイミングは All Trails でチェック
グレイシャーリリーの開花時期を予測することは地元民でも困難です。
そこで役に立つのが「All Trails」というサイト、アプリです。
カナディアンロッキーでも最も使われているハイキング専用の情報サイトで、コースごとの難易度や目安の時間、獲得標高、距離などを知ることができます。
実際にハイキングした最新のレビューも多数投稿されているので、これらのレビューからある程度開花時期を把握することができます。
クマスプレーはアウトドアショップか Market Place で
グレイシャーリリーを見にハイキングする際には、たとえ観光であってもクマスプレー(Bear spray)を必ず携帯しましょう。
飛行機の規定で日本からの持ち込みや、日本へ持って帰ることはできませんが、命に変わる可能性があるためお金を惜しまない方が良いです。
クマスプレーでは街のアウトドアショップで$50ほどで購入することができます。
また、カナディアンロッキーに住んでいる人なら Facebook のMarket Place がおすすめです。
クマスプレーの使用期限は5年間ほどあるため、毎年、売りに出す人がいます。$20ほどで購入できるためお得です。
逆に日本に帰る際には Market Place で売って帰ることもできるので、少しお金を節約できます。
水は絶対4L以上
当たり前ですが水はかなり重要です。
ヒーリーパスのハイキングでは1日の活動時間が長く、グレイシャーリリー群生地には木が生えていません。
晴れた日のハイキングになるとかなり暑く感じるため、1人4L以上の水分を必ず持っていくようにしましょう。
水が不足すると命にかかわりますよ。
まとめ
ここまでグレイシャーリリー群生地として有名なヒーリーパスの実体験を紹介してきました。
ヒーリーパスは全長20kmと長いコースですが、急な坂がないため比較的簡単にゴール地点まで行くことができます。
また、グレイシャーリリー群生地は、タイミングさえ合えば黄色い絨毯をハイキングすることできます。
カナディアンロッキー観光でおすすめのハイキングコースが分からない方や安全対策が不安な方などは、日本語のハイキングガイドツアーを利用するのもおすすめです。
今回の記事がカナダでハイキングを検討されている皆さんの参考になれば幸いです。
カナディアンロッキーで最高の思い出を作ってください!