《決定版》カナディアンロッキーの気候(シーズン別に紹介)

「カナディアンロッキーってどんな天気?」
「天気が悪そうなので旅行日程を変更しようか悩んでいる。」

お客様からいただく質問で最も多いのが “天気” に関するご質問です。

たしかに晴れるか晴れないかによって、旅行全体の満足度に大きく影響しますよね。私(筆者)も可能であれば晴れた日に最高の景色を楽しんでいただきたいです。

本記事では、ロッキー観光の玄関口・バンフ在住の私(筆者)が、ロッキーの気候の特徴をバンフを例にシーズン別で紹介していきます。ロッキー旅行を最高の思い出にしていただくために、ぜひ最後まで読んでいただければと思います。

目次

ロッキーの気候

カナディアンロッキーは北海道と同じ、亜寒帯気候に属する地域です。

亜寒帯気候 *Wikipediaより
冬は長く寒冷で、特に真冬の気温は非常に低い。夏は、短く気温もあまり上がらないが、盆地などではわりあい高温になる。気温の年較差は著しく大きい。

カナディアンロッキーの気候の特徴は3つ。
「天気が変わりやすい」「1日の寒暖差が激しい」「乾燥している」です。

観光の拠点となる、バンフ、キャンモア、レイクルイーズは標高が1,500m前後に位置しているため、山の気候だとお考えください。空の玄関口となるカルガリーも標高1,000mの高地に位置しています。

そんな山岳地帯の気候についてバンフを基準に、5つのデータ「気温」「降水量」「湿度」「日照時間」「山火事」からみていきましょう。

気温:日本より10℃低い

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1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
バンフ最高気温-504914192222161015
最低気温-15-11-8-325773-1-8-14
東京最高気温91117202428323229221912
最低気温11611152024242114114
バンフと東京の月別気温比較(単位:℃)

グラフや表からも分かりますが、ざっくりいうとカナディアンロッキーの気温は日本よりも10℃低いです。

夏の観光ハイシーズンとなる5〜10月には最高気温が15℃を超え、過ごしやすい季節になります。最も暖かくなる7月や8月には最高気温が20℃を超え、30℃以上を記録する日もあります。

夏の気温が20℃〜30℃と聞くとなんだか涼しそうな気もしますが、直射日光に当たっていると非常に暑く感じます。気温だけに紛らわされないよう熱中症対策などの注意が必要です。

一方で、夏であっても朝晩には一桁台の気温まで下がります。1日の気温差が20℃以上という日も多くなるため油断は禁物です。

冬には最高気温が0℃以下、最低気温はマイナス10℃以下という日が続きます。

マイナス10℃以下の気温は日本の本州以南ではあまり馴染みがないかと思いますが、不思議と気温が示す数値よりも寒く感じません。マイナス20℃くらいまでであれば、バンフの街中を歩いている人も多くいます。

一方で、ひとたび寒波が来るとマイナス30℃台が数日続くこともあります。マイナス30℃以下になると車のエンジンが掛からなくなる恐れがあるため、ガイドツアーなども中止となることがあります。スキー場なども寒すぎて閉鎖されることもあります。

7月のバンフ
12月のバンフ

降水量:日本の5分の1

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合計1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
バンフ311.32.41.71.610.642.458.451.151.237.745.46.02.8
東京1598.259.756.5116.0133.7139.7167.8156.2154.7224.9234.896.357.9
バンフと東京の月別降水量(単位:mm)

カナディアンロッキーはとにかく雨が少ないです。

実際には1ヶ月に7日前後は雨が記録されるのですが、日本の様に雨が1日中降り続けるということは稀です。長くても数時間、パラパラと降ったり止んだりするのがロッキーの雨です。

カナディアンが折り畳み傘などを持っていないのは、基本的に雨は降らないものと思っているからです。

ロッキーの東側に位置するバンフ周辺の雨が少ないのは、太平洋から湿った空気がロッキー山脈の西側にあたり、その時点で多くの雨が降ってしまうためです。そのため太平洋沿岸のバンクーバーは雨が多く「レインクーバー」などと呼ばれたります。

このため、バンフやキャンモア、レイクルイーズ、国際空港があるカルガリーなどは、晴天率が非常に高い地域としても知られています。旅行には最適な条件が揃っているといえるでしょう。

湿度:特に夏が乾燥

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1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
バンフ736762596163596264667375
東京574962607377838082766560
バンフと東京の月別湿度(単位:%)

「めちゃくちゃ乾燥してません?」

カナディアンロッキーを訪れる観光客の皆さんは口を揃えてそう言います。

一般的に人間は、湿度が60%以下になると「非常に乾燥している」、80%以上になると「湿っている」と感じるとされています。

夏の観光シーズン(6月〜10月)、日本はジメジメして不快に感じる80%前後なのに対し、バンフ周辺では60%前後と非常に低い湿度を記録します。

夏は湿度が低く、気温が20℃〜30℃と非常に快適な気候となりますが、知らないうちに体からどんどん水分が失われています。こまめな水分補給は忘れずに行ってください。

ロッキー旅行にはマイボトルの持参をおすすめしています。カナダの水道水は日本と同様、直接飲むことができます。観光地でボトルウォーターを買うと1本$5程度と高額なため、空いたペットボトルを再利用するのもおすすめです。

一方で、冬はバンフの方が湿度が高くなります。これは気温が非常に低く空気中に含まれる水分の最大値(飽和水蒸気量)が小さくなるためです。

しかし油断は禁物、冬のロッキーの建物内は24時間暖房が付いており、室内の湿度は夏以上に低くなります。ボディケアや水分補給を忘れずに。

日照時間:夏は夜10時でも明るい

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1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
バンフ日出08:4608:1707:2407:1506:1305:3105:3106:0806:5607:4408:3608:25
日入16:4617:3418:2420:1621:0521:4822:0021:2820:2719:1918:1516:38
東京日出06:5006:4106:1105:2804:4904:2604:2804:4805:1205:3506:0206:31
日入16:3817:0717:3518:0218:2718:5119:0118:4618:0217:2616:4616:28
バンフと東京の日出、日入時間

夏のカナディアンロッキーで一番びっくりすることかもしれません。

7月の日入(日没)はなんと夜中の22時!
日中の時間が最も長くなる夏至の頃には23時頃まで外がうっすら明るうなります。

なかなか暗くならないため不思議な感覚になりますが、観光客の皆さんには好都合です。ガイドツアーなどは大体17時ごろに終わるため、ツアー終了後もまだまだ明るい街を楽しむことができます。

バンフの日入(日没)が遅いのは、最も夜が長くなる、タイムゾーンの西の端に位置しているからです。
*「B」がバンフの位置です。

カナダには4つの時差(タイムゾーン)があります。
*画像では東から緑、黄、オレンジ、赤で色分けされています。

一方、冬は日本と同じ時間帯に日没を迎えます。暗くなるのは早いですが、レストランやショップは通常通り営業しており街は明るい雰囲気です。観光客もで歩いているためどんよりした雰囲気はありません。

山火事:年間8,000件が発生

日本でもカナダの山火事に関するニュースを見ることは多いのではないでしょうか。実際にカナダ旅行を計画している方から山火事に関するお問い合わせをいただくことも多くあります。

そんなカナダでは年間で8,000件の山火事が起きているといわれています。

「年間8,000件」と聞くと多いかもしれませんが、実は日本でも「年間1,300件」の山火事が発生しているんです。カナダは世界で2番目に広い国(日本の約26倍)です。国土面積の大きさを考えると実はそこまで多くないのかもしれません。

ただし、ひとたび山火事が起きると日本と比較にならない規模で燃え広がります。数年に一度は、大規模な都市に避難勧告が出るほどです。

また、山火事によって発生した煙がロッキー観光に大きな影響を与えます。

次の2枚の写真は同じ場所(レイク・マッカーサー)で撮った写真です。山火事による煙の影響がいかに大きいかお分かりいただけるかと思います。

山火事なし
山火事あり

主に落雷によって発生する山火事ですが、残念ながら自然現象のため予測やコントロールができません。

ガイドツアーが実施できないほどの山火事が発生することはほぼありませんが、できれば山火事の影響がない時に楽しみたいですよね。

天気予報は地元民でも分からない

「ロッキーの天気はどうですか?」
「天気が悪そうなのでツアーの日程を変えたい」

いただく質問のBEST3に入ってくるほど、多くのお客様からいただくコメントです。

たしかに、旅行時の天気は満足度に大きな影響を与えます。できれば晴れてほしですよね。

ただし、断言します。
ロッキーの天気は誰にも予測できません。

「ロッキーの天気は誰にも予測できない」理由は2つあります。

  • 天気予報がコロコロ変わる
  • 標高2,000m付近のため、そもそも天気が変わりやすい
  • ツアーでは100km移動することもあるため現地の状況が分からない

どんな天気予報サイトでも構いません。試しにロッキーの天気予報を数日間チェックし続けてみてください。毎日の様に天気予報が変わっていくはずです。

シーズン別の服装

天気が変わりやすいカナディーンロッキーを最大限に楽しむには、適切な服装で観光することが大切です。

ポイントは「体温調節がしやすく重ね着できる」こと。

ロッキー観光の際のおすすめの服装については以下の記事で紹介しています。ぜひ参考にしてください。

まとめ

カナディアンロッキーの気候についてご紹介してきました。

ロッキーは「天気が変わりやすい」「1日の寒暖差が激しい」「乾燥している」ことがお分かりいたけましたでしょうか。さらには「天気の予測がほぼ不可能」ということもポイントとなります。

本記事は、実際にロッキーに住んでいる私(筆者)が書いています。どこのWEBサイトよりも実体験に基づいた正確な内容になっていると思います。

特に夏においては、連日30℃を超える日本からは想像もできない気候となります。ぜひ、本記事を参考にしていただき、カナダ旅行を最高の思い出にしていただければと思います。

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