結論。
チップは(実質)義務です。サービスを受けた時にはチップは必ず払いましょう。
チップを支払わない(チップ0)と裏で陰口を言われていると思ってください。
日本人に馴染みのないチップ文化。北米(アメリカ、カナダ)旅行をする際に悩む人も多いのではないでしょうか。
旅行雑誌やWEBサイトで「タクシーは10%」、「レストランは15%」、「ガイドツアーは不要」などと見かけますがこれらはもう古い情報です。
本記事では世界的観光地、カナダ・バンフ在住の私(筆者)が、実際の生活で感じている最新のチップ相場をシーン別にご紹介。カナダ旅行で恥ずかしい思いをしたくしたくない方は、ぜひ最後まで読んでください。
カナダにおけるチップ文化
チップの文化はもともとアメリカで始まったとされています。レストランで働くサーバー(ホールスタッフ)は最低賃金以下の給料で働いていたこともあり、その収入を補うためにサービスによってチップが上乗せされるようになったそうです。
カナダでは最低賃金が厳格に定められているため、かつてのアメリカのように最低賃金以下で働いているレストランスタッフはいませんが、それでも最低賃金(時給$16程度)で働いている人が多いです。年々物価の上がるカナダで最低賃金のみで生活していくことは困難です。
そのため、レストラン、カフェ、ホテル、ガイドツアーなど、サービ業界で働く多くの人にとってチップは重要な収入源となっています。
チップの文化は日本人には馴染みがなくなんだか損している気がしますが、実際には消費税と同じように支払うべきものとして考えましょう。
チップを払わないとどうなる?
間違いなく裏で陰口を言われています。
残念ながら日本人を含むアジア人はチップを支払わない人が多いです。レストランで対応するサーバー(スタッフ)の中には、アジア人と分かった瞬間に明らかに態度が変わる人もいます。そりゃそうですよね、頑張ってサービスしてもチップくれないんですから。
チップを払わなかった場合、スタッフによっては「何かサービスに不具合がありましたか?」と聞いてくることもあります。「チップは強制じゃない」と言われますが、お互いが気持ちよく過ごすためにも、チップは必ず払ってあげましょう。
シーン別チップの相場
チップを支払うシーンと、支払わないシーンの違いは、サービスを受けたかどうかです。以下に代表的なシーンを紹介しますが、ヘアサロンやマッサージなどもチップを払うべき対象となります。
まとめると決済時のレシートやカードマシーンにチップを支払う表示があれば払うものと考えてください。
レストラン
料金の18%〜20%
「え?15%じゃないの?」と思った方、それ古い情報です。最近では18%が普通となっています。いくらサービスに不満があったとしたとしても最低でも15%は必ずつけるようにしましょう。
カフェ
《店内利用》料金の15%〜18%
《テイクアウト》料金の10%〜15%
カフェの場合は店内のテーブルを使うかどうかによって変わります。レストランより若干低めとお考えください。
ガイドツアー
料金の12%〜18% *最低10%
ツアーガイドは観光客に対して1日中(10時間前後)サービスを提供しつづけている職業です。レストランのように、たま〜に「味は大丈夫?」と聞く仕事とは、サービスを提供している時間が比較にならないほど長いです。
同じガイド業界に身を置く私(筆者)としても、ツアーガイドにはチップを払っていただくようお願いします。
ホテル
《ハウスキーパー(室内清掃)》$5以上
《ポーター(荷物運び)》$5以上
チップとして使えるのは紙幣のみとお考えください。カナダでは最小の紙幣は$5、$1、$2はコインです。
ホテルのチェックアウト(退出)時には、枕元に1泊$5程度を、荷物を運んでくれたスタッフには$5程度をお渡しください。
タクシー(Uber含む)
料金の10%〜15% *最低10%
ぶっちゃけ移動するだけですが、サービス業に含まれているため10%程度は払いましょう。
チップを払わなくて良いシーン
チップ文化が浸透しているカナダですが、なんでもかんでもチップを払わないといけないわけではありません。チップを支払わななくても良いシーンもご紹介します。
- バスや鉄道などの公共移動サービス
- お土産屋、食品スーパー、お酒屋、服屋などの小売店
- 自動車整備など
チップのスマートな支払い方
チップは金額ではなく割合(%)で計算することが多いので計算が面倒です。慣れないシーンでの計算は緊張すると思いますが、スマートに決済できるとかっこいいですよね。
チップの計算は大雑把に
$1以下の金額・セント(¢)は無視し、大雑把に計算するのがカナダ流です。むしろチップでセント(¢)はあげないでください。ダサいです。
カード決済の場合
カード決済時には決済端末にチップを選択する表示があります。
画像上の「Custom」は自分で任意の金額を入力することができます。
「No tip」は文字通り0チップです。押さないようにしましょう。
現金で渡したい場合
現金で渡す場合の方法は2つあります。
《料金に上乗せする場合》
料金の支払いとは別に渡す場合、最小単位は$1以上としましょう。$1以下のセント(¢)は渡さなくてOKです。
《おつりを渡す場合》
お釣りをチップとして渡したい場合は「Keep the change(おつりはとっといて)」と言えばOKです。
まとめ
チップ文化はしっかりと明文化された制度ではなく、非常に感覚的なものです。一方で、サービス業界で働いている人たちの重要な収入源になっています。チップ文化のない日本人には馴染みのないものですが、せっかくのカナダ旅行です。気持ちよく支払ってお互いに良い思い出にしていただればと思います。