カナディアンロッキーといえば夏のイメージがありますが、実は冬の方が景色が美しいことをご存知でしょうか?
夏と違い冬は山火事の影響がなく、冷たく透き通った空気の中で雪化粧したロッキーの山々が皆様を出迎えてくれます。実際に「冬のカナディアンロッキーの方が綺麗」と言う地元民も多いです。
マイナス20℃以下にもなるカナディアンロッキーでは凍った湖の上を歩くことができるなど、夏とは違った楽しみ方ができることも魅力です。また、夏に比べてホテルの料金も安く、比較的訪れやすいシーズンとなっています。
本記事では、現地在住の私(筆者)が、絶対訪れるべき冬のカナディアンロッキーおすすめスポットベスト10をご紹介します。
ほとんど知られていない隠れスポットも紹介しています。後悔したくない方は最後までぜひチェックしてください。
冬のベストシーズンは11月〜4月
カナディアンロッキー観光のベストシーズンは雪に覆われている期間です。
カナディアンロッキーでは10月下旬から雪が降り始め、本格的な冬に入っていきます。最も寒くなるのは1月で、最高気温がマイナスの日が続きます。道路の雪が溶け始めるのは4月ごろから。約6ヶ月もの間、一面が雪に覆われる世界となります。
また、カナディアンロッキーは大部分が、北海道の最北端・稚内市よりも北の北緯50℃以上の高緯度に位置しています。そのため冬は太陽が出ている時間が短く夕方4時ごろには暗くなります。
その一方で、晴れの日が比較的多く、すっきりとした景色が楽しめるチャンスが多いことが特徴です。
レイクルイーズなどの湖が凍り始めるのは12月頃からで、4月いっぱいまで凍結しています。凍った湖の上に立つこともできるのも楽しみのひとつです。
観光の拠点となるバンフ(Banff)やキャンモア(Canmore)には、スキーやスノーボードを楽しむ人が世界中から訪れます。街はボードやスキー板を持った観光客で溢れ、極寒地帯ということを忘れさせるほど活気があります。また、街中はしっかりと除雪されているため、安心して街歩きを楽しむことができます。
冬だからといってどんよりした雰囲気はありません。冬でも街は賑わっているので、外が暗くなっても楽しむことができます。
服装
上の写真は1月のレイクルイーズの写真です。「あれ?意外と日本の服装と変わらないな。」と感じるのではないでしょうか。
冬のカナディアンロッキーは日本と比べるととても寒そうに感じますが、耐えられないほどの寒さではありません。上着は日本の真冬の服装にプラス1,2枚といった感じで十分に寒さに耐えることができます。
ただし、ひとたび寒波がやってくるとマイナス30℃以下の日が数日続くこともあります。手袋やマフラーなど、服の隙間を埋めるグッズは必須です。
冬の服装の例
【上着】厚手のダウンジャケット、フリース、シャツ、厚手のインナー
【パンツ】厚手のスパッツ、ジーンズ(薄くなければ通常のものでOK)
【足元】厚手の靴下、ブーツ or スニーカー(メッシュ素材はNG)
【その他】ニット帽、マフラー、手袋、耳当て
おすすめスポット10選
レイクルイーズ
レイクルイーズは、カナディアンロッキーでダントツの知名度、人気を誇る湖です。
湖面が凍り始めるのは12月ごろから。凍った湖の上を歩くことができるのはもちろん、スケート(レンタルあり)やアイス穂ホッケーを楽しむこともできます。また、1月、2月には氷の彫刻が湖面に現れます。
レイクルイーズでは湖面や湖周辺を散策することができるほか、湖そばにある超豪華ホテル・Fairmont Chateau Lake Louse に入ってみるのも楽しみのひとつ。ホテル内のカフェで提供されているクロワッサンは絶品と大人気です。
ペイトーレイク(ペイトー湖)
ペイトーレイクは、キツネの顔をした形が特徴的な湖です。
標高2,000mを超えるビューポイントから眺めることができ、周囲を囲むカナディアンロッキーの雄大さを感じることができます。
駐車場からビューポイントまでは、上り坂を徒歩15分ほど歩いていきます。道中の雪化粧した針葉樹の森も日本では見ることができない光景です。
ペイトーレイクはバスなどの公共交通機関で行くことができないスポットです。夏に比べて観光客が少ないため、この絶景を独り占めすることができます。
標高が高いため、降雪・積雪の可能性が高い場所です。車の装備や服装に注意していきましょう。特に駐車場からビューポイントまでの道のりは滑りやすくなっています。
ジョンストンキャニオン(ジョンストン渓谷)
ジョンストンキャニオンは、写真の滝(Lower Fall)までの約1.5kmを歩くアイスウォークが人気のスポットです。
道中は針葉樹に囲まれた渓谷を歩いていくと、途中で美しいブルーの凍った滝をいくつか見ることができます。これまでのスポットと異なり山肌が手に触れられるほど近くに迫るため、カナディアンロッキーの地層を楽しむことができます。
冬になると歩道は雪や氷に覆われるため、靴に取り付ける専用の滑り止め(クランポンと呼んだりします)を装着して歩くことをおすすめします。ツアーに参加するとツアー会社が用意してくれるので安心です。
滝(Lower Fall)までの往復はゆっくり歩いて約1時間。駐車場には水洗式のトイレが整備されており安心して訪れることができるスポットです。
アブラハムレイク(アイスバブル)12月〜2月
アブラハムレイクは、アイスバブルという珍しい現象が大規模に観測できる場所として有名な観光スポットです。
アイスバブルとは湖底から発生したガスが湖の氷に閉じ込められ、氷の泡のように見える現象のことです。アブラハムレイクは最長部分が32kmもある巨大な湖(人工湖)で、風が強いため湖面に雪がたまらずアイスバブルの鑑賞スポットとして好条件となっています。
レンタカーで訪れることができますが、風の影響で鑑賞スポットが毎日のように変わるためガイドツアーを利用することをおすすめします。
バンフやキャンモアから片道約2.5時間と離れた場所にありますが、アイスバブルの湖面に立つことができるのは最高の思い出になること間違いなしです。
ボウレイク(ボウ湖)
ボウレイクは、湖が全面凍結する湖の中でも観光客がほとんどいないイチオシのスポットです。
バンフやキャンモアを流れるボウ川(Bow River)の主発地点ともなっている湖です。冬季にここを訪れるのは地元民だけ。写真のように新雪へのダイブも楽しめます。
他の湖と違い周囲が開けているため広大なカナディアンロッキーの景色を独り占めできます。湖の標高が2,000m付近のため外はもちろん寒いですが、時間を忘れるほどの美しい絶景をぜひ楽しんでください。
モランツカーブ
モランツカーブは、カナディアンロッキーを紹介する写真として最も有名なスポットの一つです。
当時、ロッキー観光の開発を中心的に担ったのはカナダ・パシフィク鉄道(Canadian Pacific Railway)でした。その専属写真家、ニコラス・モラント(Nicholas Morant)氏が、世界中にこの魅力を伝えるために好んで使ったスポットがこのモランツカーブ(Morant’s)です。
ロッキーの山々、針葉樹の森、ボウ川、線路、列車、青空、カナディアンロッキーの魅力が全てこの場所から眺めることができます。
通過する列車は貨物列車専用がほとんどのためダイヤは公表されていませんが、運が良ければ写真のような光景に出会えるかもしれません。
ナチュラルブリッジ(超穴場!)1〜2月
冬のナチュラルブリッジは、ロッキー版アンテロープキャニオンと言える幻想的な光景が魅力的なスポットです。
この光景に出会えるのは非常に寒さが厳しくなる季節(1,2月)限定です。凍った川の上を歩いてナチュラルブリッジの下に入ることができます。
川は完全に凍ることはないため、凍った滝の近くにいくと下を流れる川の音を聞くことができます。
暖かい日が続くと1月、2月でも氷が薄くなり非常に危険な場合があります。訪れる際は氷が十分な厚さになっているか、慎重に確かめながら進むようにしてください。全て自己責任となります。少しでも怪しい場合は行くのを諦めてください。
ノーケー山・ビューポイント
ノーケー山ビューポイントは、バンフの街並みとロッキーの山々が一望できる絶景スポットです。
バンフの街から車で約15分、ノーケースキー場へ続く道の途中にあるのがこのビューポイントです。バンフの街が一望できるため、バンフでゴンドラをご検討されている方はゴンドラを辞めてこちらにいくことをおすすめします(無料ですし)。
また、ビューポイントへ続く道は野生動物や出現しやすいスポットとしても有名です。大型のシカや大きな角を持ったヒツジなどに出会えるかもしれません。
バンフ・アッパー・ホット・スプリング(露天風呂温泉)
バンフ・アッパー・ホット・スプリングは、バンフで唯一の入浴可能な温泉です。
バンフ周辺には無数に温泉が沸いている箇所があり、かつてはいくつか入浴可能な温泉があったそうです。しかし、温泉に生息する貴重なタニシが見つかったことで、保護のため現在はここの1箇所のみとなってしまいました。
温泉といいながらも日本のものとは異なり、見た目は温水プールの様な感じです。水着を着用しての入浴となります。湯の温度は少しぬるめですが、マイナス20℃の極寒で楽しむ温泉は日本ではなかなか体験できないアトラクションです。
入浴料は大人で$16ほど。バンフの中心地からバスでもアクセス可能なので、時間がある時に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
バンフの絶景ブリッジ
バンフのダウンタウン(中心地)から徒歩10分でアクセスできる絶景ポイントです。
バンフを流れるボウ川には3つの橋があります。最も東側にかかる歩行者専用のこの橋からは、バンフのランドマークカスケード山(標高2,998m)を綺麗に望むことができ絶景です。
メインとなる中央の橋は自動車や歩行者が多い一方、こちらの橋は地元住民が生活のために使っている橋のため、観光客はあまり多くありません。タイミングが合えば自分1人で絶景写真を収めることができます。
また、冬季にはボウ川が全面凍結するため、川の上にには渡るための自然の道がいくつもできます。その様子を観察するのも楽しいかもしれません。
おすすめの日本語ツアー3選
冬のカナディアンロッキーツアーではガイドツアーを利用することを強くおすすめします。
冬のカナディアンロッキー観光では、公共のバスで行くことができる場所は非常に限定的です。また、レンタカーの場合も雪道での運転となるため不安な方も多いと思います。
地元ツアー会社のガイドツアーであれば雪道の運転も安心ですし、地元ガイドだから知っている絶景スポットへ連れて行ってくれます。
万が一、マイナス20℃の世界で車が止まってしまった場合、命に関わるほど危険な場合があります。その点、プロフェッショナルなガイドツアーであれば安心してロッキーの絶景を楽しむことができます。
レイクルイーズなどの人気定番スポットを巡るツアー
犬ぞり体験&人気スポット巡りツアー
アイスバブルを見に行くツアー
まとめ
今回ご紹介した「冬のカナディアンロッキー観光おすすめスポット10選」は、バンフ現地在住の私(筆者)が、住んでいるからこそ自信を持っておすすめできるスポットばかりです。
個人的には山の風景は絶対に冬の方が綺麗だと思っています。冬のロッキーには夏にも負けない絶景が待っています。ぜひ今回の記事を参考に、カナダ旅行を最高の思い出にしていただければと思います。
また、参考になりそうな記事も下にご用意しております。合わせて読んでいただければと思います。